Dr.コトー診療所 22 (ヤングサンデーコミックス) 小学館 2008-02-05 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools

「ぼくは、その人が治そうと思っている限り、絶対に治らない病気なんてないと教えられました」

■『Dr.コトー診療所22』を読了。もはやコトー先生が主役の話ではなく、先生が関わる人たち、古志木島の人たちの物語となっている。似たようなパタンの繰り返しと思えなくもないけれど、それぞれが少しずつだけと着実に変わっていく。「医者として、こんなこと言っていいのかどうかわからないけど……　僕は、この島の力を信じてるんだ」というのはコトー先生の科白。先が予想できそうな伏線があるけれど、おそらくその通りになるのだろう。まあ、ミステリではないし、意外性は求めていない。
　前巻から続いた、仲依ミナのエピソードは一段落。表紙をひとりで飾っている星野さんがメインのエピソードへ（呼び捨てにできないのは何故だろう）。といっても、星野さんを巡る展開が続くので、物語は本土と古志木島を並行して進む（青屋敷は出てこないよ）。星野さんは星野さんでしんどい続きだけれど、島は島でしんどい続き。泣きそうな展開だよ。お約束とはいえ、島民の気持ちによって、自殺を防げたのは幸いか。そうでなければ、星野さんが可哀そう過ぎる。しかし、星野さんの今後が気になる終わり方である。