ジパング（30） (モーニングKC) 講談社 2007-07-23 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools

「人を動かすには意志と言葉だけでは足りん　だが言葉の裏側に…　それが何かは分からないが…　確固たる現実の存在があるならば…　可能なのかもしれん」

■『ジパング30』を読了。総員3千余人の将兵が乗り込む巨大戦艦、「大和」を乗っ取ることなど不可能だと言う大野艦長。だが、鴻上や野尻、草加の同士たちによって、大和は掌握されてしまう。艦内電話で、大野の「交渉の余地はあるか」という言葉に対して、「ありません」と即答する鴻上。まさに命懸けで、信念が揺らがないことが良く解る。また、下艦するのなら内火艇を用意すると言う鴻上に対して、断ると即決する大野。帝国海軍が堅牢な組織であるがために、叛乱を止めることはできないということか。
　「みらい」は、1年6カ月振りに「大和」と相見える。そうして、回避運動を止め、日本艦隊から離脱した「大和」を追う「みらい」。草加がいることで、司令部極秘任務だと捉えてしまう「武蔵」艦長や乗組員たち。帝国海軍の組織体系の隙を上手く突いている。しかし、草加に賛同する者たちに対して、原爆を放棄させることは可能なのか。戦うことになったとしても、大和の乗員3千余名を救助することはできるのか。角松、草加、「みらい」に帝国海軍、それぞれにどのような決着が待っているのか、全く以て想像がつかない。30巻31巻と2カ月連続刊行のようだけれど、リアルタイムで読んでいない僕に影響はない。