小説・アニメ・コミック・ゲーム等、様々な創作媒体についての感想やら何やら、あるいは、永遠に敗北者な日常と思考
No.274
2010/02/18 (Thu) 12:59:05
C.M.B.森羅博物館の事件目録 12 (月刊マガジンコミックス) 講談社 2009-10-16 売り上げランキング : Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「都合の良し悪しで親が側にいるわけじゃないだろ!! ふざけんな!!」
■『C.M.B 森羅博物館の事件目録12』を読了。「封泥」で登場する古代バビロニアの壺というのは、図らずも少し前に読んだ『四方世界の王』と同じ時代のものだった。森羅の養父のひとり、レイによって、CMBの指輪が森羅に渡された理由が語られる。研究者に与えられる最高権限の証を、ひとりで三つも持っているのは妙だと思っていたのだが、原因は森羅の母親にあった。養父が三人いるという話は何度か出ているけれど、実父の話は未だに一切出てこない。というか、森羅自身が、父親のことも母親のことも、まったく気にしないような生活をしているので、龍樹が介入しない限り、森羅の家族のエピソードは、語られないような気がする。考古学を扱ったミステリは、C.M.Bの世界観にぴったり。
「老婆と猿」は簡潔で秀逸な密室殺人。事件に介入する理由は、探偵役の森羅が子供だからこそ。飼い主と動物が別れる話はつらい。前巻の予告から気になっていた、「張の幽霊」は前後編。呪いの儀式を商売にするって、とんでもないところだな、香港。女優の張に幽霊が見えるのは何故なのかというのがメインの謎であるけれど、落としどころがすごい。意外な犯人変則版とでもいうべきか。
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キタヤマ
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初めまして。ミズサワです。あの「失われた」90年代に、10代の総てを消費しました。
ミジンコライフ継続中。
ミズサワの3分1は「さだまさし氏の曲」で、3分の1は「御嶽山百草丸」で、残りの3分の1は「××××」で構成されています。
小説・コミック・アニメ・ゲーム・等、媒体に拘わらず、あらゆる物語を好みます。付き合いが長いのは「新本格」作品。卒業論文も「新本格」。論理性よりも、意外性を重視。
「すべての小説が館ミステリになればいい」
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