小説・アニメ・コミック・ゲーム等、様々な創作媒体についての感想やら何やら、あるいは、永遠に敗北者な日常と思考
No.327
2010/04/03 (Sat) 12:40:19
428 ~封鎖された渋谷で~ スパイク 2009-09-17 売り上げランキング : 1045 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
▼『428 ~封鎖された渋谷で~』(PSP版)をクリア。厳密には、すべての要素をやり尽くした訳ではないけれど、本編とボーナスシナリオ2編、隠しシナリオをプレイしたので、クリアといっても良いだろう。エコ吉ドアドア以外のサブイベントが残っているのだが、それはまあ、時間と機会があれば。
『パンドラVol.4 2009 SUMMER』の特集記事にて、本作を知ったのだけれど、そのときはまったく興味が湧かなかった(構成の悪さが原因かと)。タイトルだけは覚えていたので、あるときネットでプレイした方の感想を読んでみたところ、賛賛片論ということに驚いた。いや、否定や批判がない訳ではないけれど、肯定し称賛している人が圧倒的に多いのだ。偶然にも僕はPSPを持っていたので、これは買ってプレイしてみようと考えた次第(そうでもしなければ、購入して1年以上経つPSPが、インターネット端末と化してしまう)。『弟切草』とか『かまいたちの夜』とか、名前は知っていたけれど、僕はスーパーファミコンを持っていなかった。初めてプレイしたサウンドノベルは『ひぐらしのなく頃に』で、2回目が本作、『428 ~封鎖された渋谷で~』ある。
はっきり言って、おもしろカッコイイぜ、とでも評そうか。オープニングの映画を彷彿とさせる演出が格好良く、最初から引き込まれてしまう。次回予告が更に良い。静止画にテロップ、そして音楽の組み合わせに脱帽した。映像を流すよりも効果的な演出で、ゲームという特性を活かしており、予告があることで、続きを早くプレイしたいと思わせる。また、ここぞというときにだけ流す映像も効果的。複数の主人公がいて、自分が選んだ順番で物語を進められるのがありがたい。最終的にすべてのエピソードを読まなければいけないのだから、興味のある人物から進めていくのは当然だろう。猫の着ぐるみは明らかにコメディパートだろうと思うけれど、それだけでは終わらない。
物語はひとつの大きな枠に沿って進んでいくのだが、それら以外の正答ではないルートのエピソードも楽しめる。良くこれだけの話を作ったものだと感心する。ただ、作り込んだせいか、バッドエンド確定のエピソードにも更に選択肢があって、その先へ物語が進んでしまう。正しいルートだから話が続くのだと思いきや、バットエンド突入というパタンに何度も陥ってしまった。ひとりの行動が別の人物に影響して物語が変わっていくという趣向は、視点を切り替えられるゲームならではで面白い。けれどそれが逆に、選択肢を間違えると、ちっとも物語が進まないという足枷になってしまった。短時間であれば、あそこで間違えたのかと納得できるけれど、長時間迷ってしまうのはつらい。少なくとも、僕にとっては、簡単にクリアできるゲームではなかった。
通常のエンディングでも、こんな終わり方をするのかと唸ったものだけれど、トゥルーエンドでは更に驚き。序盤も中盤も終盤も、途中でだれることなく、最後まで面白かった。ドラマや映画にしても成功するのではないかと思ったけれど、プレイヤが登場人物や選択肢を選べない分、楽しみは減ってしまうだろう。ボーナスシナリオ、「鈴音編」は我孫子武丸氏が担当。定番の展開でありながら、これほどまで哀しい物語になるとは。サウンドノベルという、音楽と小説の融合ならばこそ。こんなに泣ける話を書く人だったかな。もうひとつのボーナスシナリオ、「カナン編」はTYPE-MOONの奈須きのこ氏がシナリオ、キャラクタデザインを武内崇氏が担当。アニメがどのような経緯で始まったのかを知らなかったので、これでようやく疑問が解けた。「CANNAN」という作品は『428』ありきの物語だったのか。他人の世界観では、実力を充分に発揮できなかったのだろう。
本編以外では、隠しシナリオの「エコ吉編」が一番楽しめたような気がしないでもない。というか、ただのオマケシナリオじゃないと思わせるくらいに力が入っている。何よりも、エコ吉編のスタッフロールには感銘を受けた。本当に最後まで、ユーザを飽きさせない姿勢が素晴らしい。主題歌の「世界はそれでも変わりはしない」が秀逸なのは言わずもがな。
本当は、「KEEP OUT」とか「JUNP」とか「TIP」とか、独特のゲームシステムにも触れるつもりだったけれど、ゲームをクリアして3カ月以上経ってからの感想なので、どこが便利でどこが不便に感じたのかをはっきりと思い出せない。中途半端にうろ覚えなことは書かないでおこうと考えた結果が上記の感想である。やはり感想を書くのなら、作品をプレイして(読んで)から、時間を空けないうちにしておかないと、このような杜撰に(2度目だけれど)。次にプレイするのは、おそらく『街』かな。しかし、ゲームの感想って、半年以上前に1度書いただけなのか。
などと思いながらも、『シークレットゲームPORTABLE』は購入予定。PS2版の『シークレットゲーム-KILLER QUEEN-』とPC版の『シークレットゲーム-KILLER QUEEN-DEPTH EDITION-』もクリアしていないというのに。未プレイゲームが減らない訳だよ。
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キタヤマ
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ミジンコライフ継続中。
ミズサワの3分1は「さだまさし氏の曲」で、3分の1は「御嶽山百草丸」で、残りの3分の1は「××××」で構成されています。
小説・コミック・アニメ・ゲーム・等、媒体に拘わらず、あらゆる物語を好みます。付き合いが長いのは「新本格」作品。卒業論文も「新本格」。論理性よりも、意外性を重視。
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